瓜《たうなす》の臀《しり》を見上《みあ》げながらいつた。
おつぎは此《こ》の時《とき》菅笠《すげがさ》の端《はし》へ一寸《ちよつと》手《て》を掛《か》けておつたへ腰《こし》を屈《かゞ》めた。おつぎは白《しろ》い襦袢《じゆばん》の襟《えり》を覗《のぞ》かせて、單衣《ひとへ》の胸《むね》をきちんと合《あは》せて、さうして襷《たすき》と手刺《てさし》とで身《み》を堅《かた》めて、暑《あつ》いのにも拘《かゝは》らず女《をんな》の節制《たしなみ》を失《うしな》はなかつた。おつぎは蕎麥《そば》の手《て》を放《はな》して小走《こばし》りに驅《か》けて行《い》つた。菅笠《すげがさ》をとつてだらりと被《かぶ》つた手拭《てぬぐひ》を外《はづ》した時《とき》少《すこ》し亂《みだ》れた髮《かみ》がぐつしやりと汗《あせ》に濡《ぬ》れてげつそりと衰《おとろ》へたものゝ樣《やう》に覺《おぼ》えた。おつたは開《ひら》いた儘《まゝ》の洋傘《かうもり》を栗《くり》の木《き》の側《そば》へ仰向《あふむけ》に置《お》いて默《だま》つて井戸端《ゐどばた》へ行《い》つて手水盥《てうづだらひ》に一|杯《ぱい》の水《みづ》を汲《く
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