のである。卯平《うへい》が求《もと》める副食物《ふくしよくもつ》は一|日《にち》僅《わづか》に二|錢《せん》もあれば十|分《ぶん》なので彼《かれ》は毎日《まいにち》藁《わら》を使《つか》つて居《を》れば四五|錢《せん》づつの剰餘《じようよ》を得《う》る理由《わけ》ではあるが、品物《しなもの》を商《あきな》ひに出《で》る日《ひ》を別《べつ》にしても氣《き》が乘《の》らないといつては朝《あさ》からごろりと轉《ころ》がつて居《ゐ》ることもあるので平均《へいきん》して見《み》ると一|日《にち》が幾《いく》らにも成《な》らないのであつた。然《しか》し其《そ》れ丈《だけ》でさへ卯平《うへい》は始終《しじう》財布《さいふ》の錢《ぜに》の出入《でいり》するのを心丈夫《こゝろぢやうぶ》に思《おも》ふのであつた。
勘次《かんじ》はむつゝりとした卯平《うへい》の戸口《とぐち》を覗《のぞ》いたこともないが、卯平《うへい》が直《すぐ》に來《き》ても來《こ》なくても飯《めし》の出來《でき》た時《とき》に喚《よ》びに行《ゆ》くのはおつぎであつた。卯平《うへい》は熱心《ねつしん》に藁仕事《わらしごと》をする時《とき
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