うきう》せずに五|錢《せん》か十|錢位《せんぐらゐ》づゝ懷錢《ふところせん》を出《だ》して能《よ》く選《すぐ》つた藁《わら》を其處《そこ》此處《こゝ》で買《か》つて、穗先《ほさき》の處《ところ》を持《もつ》ては肩《かた》から打《ぶ》つ掛《か》けてがさ/\と背負《せお》つて來《く》るのである。藁《わら》の小《ちひ》さな極《きま》つた束《たば》が一|把《は》は大抵《たいてい》一|錢《せん》づゝであつた。其《そ》の一|把《は》の藁《わら》が繩《なは》にすれば二|房半位《ばうはんぐらゐ》で、草鞋《わらぢ》にすれば五|足《そく》は仕上《しあが》るのであつた。それで彼《かれ》の一|日《にち》の仕事《しごと》は繩《なは》ならば二十|房《ばう》の大束《おほたば》が一|把《は》、草鞋《わらぢ》ならば五|足《そく》といふ處《ところ》なので、一|房《ばう》の繩《なは》が七|錢《せん》五|毛《まう》で一|足《そく》の草鞋《わらぢ》が一|錢《せん》五|厘《りん》といふ相場《さうば》だからどつちにしても一|日《にち》熱心《ねつしん》に手《て》を動《うご》かせば彼《かれ》は六七|錢《せん》の儲《まうけ》を獲《え》る
前へ
次へ
全956ページ中601ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
長塚 節 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング