《た》てゝ暖《あたゝ》まりたい心持《こゝろもち》がするのであつた。それで彼《かれ》は勘次《かんじ》の留守《るす》には竈《かまど》の前《まへ》で悠長《いうちやう》に木《こ》の葉《は》を焚《た》いて顏《かほ》や手足《てあし》の皮《かは》の燒《や》けた樣《やう》に赤《あか》くなるまであたつた。勘次《かんじ》は時々《とき/″\》持《も》ち込《こ》んだ麁朶《そだ》や木《こ》の葉《は》が理由《わけ》もなく減《へ》つて居《ゐ》ることを知《し》つて不快《ふくわい》な感《かん》を懷《いど》いてはこつそりと呟《つぶや》きつゝおつぎに當《あた》るのであつた。
 卯平《うへい》は暫《しばら》く隱居《いんきよ》に落付《おちつ》いてからは一|錢《せん》づゝでも懷《ふところ》を拵《こし》らへねばならぬといふ決心《けつしん》から促《うなが》されて、毎日《まいにち》煙管《きせる》を横《よこ》に銜《くは》へては悠長《いうちやう》ではあるが、然《しか》も間斷《かんだん》なく繩《なは》をちより/\と綯《な》つたり、それから草鞋《わらぢ》を作《つく》つたりした。彼《かれ》は原料《げんれう》の藁《わら》を勘次《かんじ》に要求《え
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