》いながらにどうにか土間《どま》も拵《こしら》へて其處《そこ》へは自在鍵《じざいかぎ》を一《ひと》つ吊《つる》して蔓《つる》のある鐵瓶《てつびん》を懸《かけ》たり小鍋《こなべ》を掛《か》けたりすることが出來《でき》る樣《やう》にした。彼《かれ》は勘次《かんじ》から幾《いく》らかづゝの米《こめ》や麥《むぎ》を分《わ》けさせて別居《べつきよ》した當座《たうざ》は自分《じぶん》の手《て》で煮焚《にたき》をした。それが却《かへつ》て氣藥《きらく》でさうして少《すこ》しづゝは彼《かれ》の舌《した》に佳味《うま》く感《かん》ずる程度《ていど》の物《もの》を求《もと》めて來《く》ることが出來《でき》た。
 然《しか》しさうして居《ゐ》ても寒《さむ》さが非常《ひじやう》に嚴《きび》しい時《とき》は彼《かれ》は只《たゞ》狹苦《せまくる》しい小屋《こや》の中《なか》に麁朶《そだ》を少《すこ》しづつ折《を》り燻《く》べるよりも比較的《ひかくてき》廣《ひろ》い竈《かまど》の前《まへ》で横《よこ》に轉《ころ》がした大籠《おほかご》からがさ/\と木《こ》の葉《は》を掻《か》き出《だ》してぼう/\と焔《ほのほ》を立
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