仕事《しごと》は只《たゞ》一|日《にち》で畢《をは》つた。長《なが》い嵩張《かさば》つた粟幹《あはがら》で手薄《てうす》く葺《ふ》いた屋根《やね》は此《こ》れも職人《しよくにん》の手《て》を借《か》らなかつた。必要《ひつえう》な繩《なは》は卯平《うへい》が丈夫《ぢやうぶ》に綯《な》つて置《お》いた。それから壁《かべ》を塗《ぬ》るのには間《あひだ》を措《お》いて二三|日《にち》かゝつた。勘次《かんじ》も有繋《さすが》に勞力《らうりよく》を惜《をし》まなかつた。彼《かれ》は粟幹《あはがら》が葺《ふ》き上《あ》げられた次《つ》ぎの日《ひ》から二三|日《にち》近所《きんじよ》の馬《うま》を借《か》りて田《た》の傍《そば》の畑《はたけ》から土《つち》を運搬《つ》けた。畑《はたけ》には其《そ》の時《とき》麥《むぎ》が青《あを》く生《は》えて居《ゐ》たが、それでも持主《もちぬし》は畑《はたけ》が減《へ》るだけ田《た》の面積《めんせき》が増《ま》す理由《わけ》なのと、土《つち》の分量《ぶんりやう》も格別《かくべつ》の事《こと》でないのとで切《き》り取《と》ることを否《いな》まなかつた。庭《には》へ卸《
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