て、世間《せけん》がげつそりと寂《さび》しく沈《しづ》んだ時《とき》に彼《かれ》は急《きふ》に勘次《かんじ》と別《べつ》な住《す》まひが仕《し》たくなつた。彼《かれ》は少《すこ》しばかり餘《あま》してあつた蓄《たくは》へから蝕《むしくひ》でも何《なん》でも柱《はしら》になる木《き》やら粟幹《あはがら》やらを求《もと》めて、家《いへ》の横手《よこて》へ小《ちひ》さな二|間《けん》四|方《はう》位《ぐらゐ》な掘立小屋《ほつたてごや》を建《た》てる計畫《けいくわく》をした。彼《かれ》は寒《さむ》い西風《にしかぜ》を厭《いと》うて殆《ほとん》ど勘次《かんじ》の家《うち》と相《あひ》接《せつ》して東脇《ひがしわき》へ建《たて》ようとした。勘次《かんじ》は固《もと》より自分《じぶん》の懷《ふところ》が目《め》に見《み》えて減《へ》るのでもなし、それに就《つい》ては決《けつ》して陰《かげ》で呟《つぶや》くことはなかつた。簡單《かんたん》な普請《ふしん》には大工《だいく》が少《すこ》し鑿《のみ》を使《つか》つた丈《だけ》で其《その》他《た》は近所《きんじよ》の人々《ひと/″\》が手傳《てつだ》つたので
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