おろ》した土《つち》にはちらり/\と青《あを》い麥《むぎ》の軟《やはら》かな葉《は》が交《まじ》つて居《ゐ》た。勘次《かんじ》は夕方《ゆふがた》に成《な》つて馬《うま》を返《かへ》しながら、一|日《にち》の餌料《ゑさ》としておつぎに煮《に》させた麥《むぎ》を笊《ざる》へ入《い》れて、それから刻《きざ》んだ藁《わら》も添《そ》へてやつた。勘次《かんじ》は其《そ》の序《ついで》に餘計《よけい》な藁《わら》を切《き》つた。土《つち》は畢《しまひ》の日《ひ》の夕方《ゆふがた》に周圍《しうゐ》に土手《どて》のやうな輪《わ》を拵《こしら》へて其處《そこ》に水《みづ》を打《う》つてはぐちや/\と足《あし》で溲《こ》ねながら刻《きざ》んだ藁《わら》を撒《ま》いては踏《ふ》み込《こ》んでさうして一|晩《ばん》置《お》いた。さういふ間《あひだ》に卯平《うへい》は鉈《なた》で篠《しの》を幾《いく》つかに裂《さ》いて柱《はしら》と柱《はしら》との間《あひだ》へ壁《かべ》の下地《したぢ》に細《こま》かな格子目《かうしめ》を編《あ》んで居《ゐ》た。篠《しの》は東隣《ひがしどなり》の主人《しゆじん》から請《こ》うて
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