《てさき》の業《わざ》の器用《きよう》な性來《たち》であつた。それで彼《かれ》は仕事《しごと》に出《で》ると成《な》つてからは方々《はう/″\》へ傭《やと》はれて能《よ》く俵《たわら》を編《あ》んだ。麥俵《むぎだわら》もそれから堆肥《つみごえ》を入《い》れて運《はこ》ぶ肥俵《こやしだわら》も編《あ》んだ。ゆつくりと然《しか》も暇《ひま》なく手《て》を動《うご》かしては時々《とき/″\》好《すき》な煙草《たばこ》を吸《す》うて少《すこ》し口《くち》を開《あ》いた儘《まゝ》煙管《きせる》の吸口《すひくち》をこけた頬《ほゝ》に當《あて》て深《ふか》い考《かんが》へにでも惱《なや》んだ樣《やう》に只《たゞ》凝然《ぢつ》として居《ゐ》る。煙《けぶり》は口《くち》から少《すこ》しづゝ漏《も》れて鼻《はな》を傳《つた》ひて騰《あが》る。彼《かれ》は煙《けぶり》が騰《あが》る度《たび》に窪《くぼ》んだ黄色《きいろ》な目《め》を蹙《しが》めるやうにして、心《こゝろ》づいた樣《やう》に吸殼《すひがら》を手《て》の平《ひら》に吹《ふ》くのである。彼《かれ》はかうして極《きは》めて悠長《いうちやう》に手《て》
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