でが何處《どこ》から枝《えだ》であるやら明瞭《はつきり》とは區別《くべつ》もつかぬ樣《やう》な然《しか》も燒《や》けたかと思《おも》ふ程《ほど》赤《あか》く成《な》つて居《ゐ》る葉先《はさき》にざらりと蕾《つぼみ》が附《つ》いてこつそりと咲《さ》いて畢《しま》つた。淋《さび》しい内《うち》にも春《はる》らしい空氣《くうき》が凡《すべ》ての物《もの》を撼《うご》かした。日《ひ》はまだ南《みなみ》を低《ひく》く渡《わた》りながら暖《あたゝ》かい光《ひかり》を投《な》げる。偶《たまたま》夜《よる》の雨《あめ》が歇《や》んでふうわりと軟《やはら》かな空《そら》が蒼《あを》く割《わ》れて稍《やゝ》昇《のぼ》つた其《その》暖《あたゝ》かな日《ひ》が斜《なゝめ》に射《さ》し掛《か》けると、枯《か》れた桑畑《くはばたけ》から、青《あを》い麥畑《むぎばたけ》から、凡《すべ》てから濕《しめ》つた布《ぬの》を火《ひ》に翳《かざ》したやうに凝《こ》つた水蒸氣《すゐじようき》が見渡《みわた》す限《かぎ》り白《しろ》くほか/\と立《た》ち騰《のぼ》つて低《ひく》く一|帶《たい》に地《ち》を掩《おほ》ふことがあつた
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