んぢや爺《ぢい》がんだつけなあそら、どうして袋《ふくろ》さなんぞ入《せ》えてたんでえ爺《ぢい》は」おつぎは事《こと》もなげにいつた。
「蕎麥《そば》ツ掻《かき》でもしたらよかつぺつてお内儀《かみ》さん出《だ》したつけのよ」卯平《うへい》は舊《もと》の位置《ゐち》に坐《すわ》つていつた。
「さうかあ、そんぢや惡《わる》かつたつけな爺《ぢい》そんぢや俺《お》れ今《いま》入《せ》えてやつかんなよ」おつぎは勘次《かんじ》が寢《ね》る壁際《かべぎは》の桶《をけ》から先刻《さつき》のよりは遙《はる》かに多量《たりやう》を袋《ふくろ》へ入《い》れてやつた。さうしておつぎは勘次《かんじ》を尻目《しりめ》で見《み》た。卯平《うへい》は復《ま》た蕎麥掻《そばがき》を拵《こしら》へた。
「俺《お》れ注《つ》いでやつべか爺《ぢい》」火鉢《ひばち》の側《そば》に居《ゐ》た與吉《よきち》は藥罐《やくわん》へ手《て》を掛《か》けた。卯平《うへい》は與吉《よきち》のするが儘《まゝ》に任《まか》せた。卯平《うへい》は比較的《ひかくてき》悠長《いうちやう》に茶碗《ちやわん》を箸《はし》で掻《か》き交《ま》ぜた。
「出來《
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