へい》はぶすりといふのである。
「おつぎはどうだえ」
「ありやあそれ、勘次《かんじ》たあ違《ちが》あから、何《なん》ちつても有繋《まさか》赤《あか》ん坊《ばう》ん時《とき》つからのがだから」
「節挽《せちびき》はたんとした容子《ようす》かえそれでも」
「えゝ、おつうこと連《つ》れてつて、南《みなみ》で挽《ひ》くなあ挽《ひ》いたやうだが、桶《をけ》さ入《せ》えた儘《まゝ》で蓋《ふた》したつ切《きり》藏《しま》つて置《お》くから、わしやどのつ位《くれえ》あるもんだか見《み》もしねえが」
「勘次《かんじ》は軟《やはら》かい物《もの》でも少《すこ》しは拵《こしら》えてくれるかね」
「えゝ、毎日《まいんち》同士《どうし》にたべちや居《ゐ》んだがなあに齒《は》せえ丈夫《ぢやうぶ》なら粗剛《こうえ》つたつて管《かま》やしねえが」
「それぢや蕎麥粉《そばこ》でも少《すこ》し遣《や》らうかね蕎麥掻《そばがき》でも拵《こしら》へてたべた方《はう》が善《い》いよ、蕎麥《そば》に打《う》つちや冷《ひ》えるが蕎麥掻《そばがき》は暖《あつた》まるといふからね」内儀《かみ》さんは木綿《もめん》で作《つく》つた袋《ふ
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