やに》の浸《し》みた煙管《きせる》をぢう/\と鳴《な》らしながら難《むづ》かしい顏《かほ》が暫《しばら》く解《と》けなかつた。
卯平《うへい》は清潔好《きれいずき》なのでむつゝりとしながら獨《ひとり》で居《ゐ》る時《とき》には草箒《くさばうき》で土間《どま》の軒《のき》の下《した》を掃《は》いては鷄《とり》が足《あし》の爪《つめ》で掻《か》き亂《みだ》した庭葢《にはぶた》の周圍《あたり》をも掃《は》きつけて置《お》いた。彼《かれ》は座敷《ざしき》の内《うち》も掃除《さうぢ》をして毎朝《まいあさ》蒲團《ふとん》を整然《ちやん》と始末《しまつ》する樣《やう》に寡言《むくち》な口《くち》からおつぎに吩咐《いひつ》けた。清潔《きれい》に成《な》ることは勘次《かんじ》も惡《わる》いことには思《おも》はなかつたが、幾《いく》らもない家財道具《かざいだうぐ》へ少《すこ》しでも手《て》を掛《か》けられるのが懷《ふところ》でも探《さぐ》られる樣《やう》に勘次《かんじ》には何《なん》となく不安《ふあん》の念《ねん》が起《おこ》されるのであつた。勘次《かんじ》の目《め》には卯平《うへい》が能《よ》く村落《
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