態《じやうたい》なので、おつぎの目《め》には格別《かくべつ》の注意《ちうい》を起《おこ》さしむべき動機《どうき》が一《ひと》つも捉《とら》へられなかつた。恁《か》うしておつぎは卯平《うへい》に向《むか》つて彼《かれ》が幾分《いくぶん》づゝでも餘計《よけい》に滿足《まんぞく》し得《う》る程度《ていど》にまで心《こゝろ》を竭《つく》すことが、善意《ぜんい》を以《もつ》てしても寧《むし》ろ冷淡《れいたん》であるが如《ごと》く見《み》えねばならなかつた。然《しか》し卯平《うへい》は決《けつ》して衷心《ちうしん》からおつぎを憎《にく》まなかつた。卯平《うへい》は時々《とき/″\》外《そと》へ出《で》ては豆腐《とうふ》を喫《きつ》して自分《じぶん》の膳《ぜん》の箸《はし》を執《と》らぬことはあるのであつたが、それでも勘次《かんじ》は三|人《にん》のみが家族《かぞく》であつた時《とき》よりも※[#「穀」の「禾」に代えて「釆」、254−8]物《こくもつ》の減少《げんせう》する量《りやう》が殖《ふ》えて來《き》たことを忽《たちま》ちに目《め》に止《と》めた。何《ど》れ程《ほど》大《おほ》きな身體《からだ
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