茶色《ちやいろ》の眼《め》が後《あと》で獨《ひとり》蹙《しが》んだやうに成《な》るのである。
 卯平《うへい》が村落《むら》の店《みせ》に懶《ものう》い身體《からだ》を据《す》ゑて煙草《たばこ》を吹《ふ》かして居《ゐ》る處《ところ》へ與吉《よきち》は行合《いきあは》せることがあつても遠《とほ》くの方《はう》から卯平《うへい》を見《み》て居《ゐ》て、近《ちか》づきもしないが去《さ》らうともしないで居《ゐ》る。卯平《うへい》は屹度《きつと》ガラス戸《ど》を立《たて》て店臺《みせだい》から自分《じぶん》で菓子《くわし》をとつてやる。それでも與吉《よきち》は菓子《くわし》を噛《か》ぢりながら側《そば》へは寄《よ》らうともしなかつた。
「與吉《よきち》らたえしたもんだな、始終《とほして》もらつてな」店《みせ》の女房《にようばう》がいふのを聞《き》くのは與吉《よきち》よりも寧《むし》ろ卯平《うへい》が心《こゝろ》に滿足《まんぞく》を感《かん》ずるのであつた。然《しか》し與吉《よきち》は恁《か》うして段々《だん/\》卯平《うへい》に近《ちか》づいて學校《がくかう》から歸《かへ》つたといつては
「爺《
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