きながら與吉《よきち》は菓子《くわし》を舐《しやぶ》つた。
「どれ、俺《おれ》げもちつと出《だし》て見《み》ねえか」おつぎは與吉《よきち》の手《て》から少《すこ》し缺《か》いて自分《じぶん》の口《くち》へ入《い》れた。
「※[#「姉」の正字、「女+※[#第3水準1−85−57]のつくり」、241−12]《ねえ》は大《え》かくおつ缺《け》えちや厭《や》だぞう」與吉《よきち》は懸念《けねん》していふと
「おゝ薄荷《はくか》だこら、口《くち》ん中《なか》すう/\すら、おとつゝあげも遣《や》つて見《み》ろ」おつぎは又《ま》た菓子《くわし》へ手《て》を掛《か》けようとすると
「えゝから、よきげ嘗《な》めさせろ」勘次《かんじ》はおつぎを制《せい》した。三|人《にん》は他人《ひと》の目《め》が開《あ》いてない闇夜《やみよ》の小徑《こみち》を恁《か》うして自分《じぶん》の庭《には》へ戻《もど》つた。
「どうしたんだんべ、おとつゝあ」おつぎは戸《と》の隙間《すきま》から射《さ》す明《あか》りを見《み》て俄《にはか》に立《た》ち止《どま》つていつた。勘次《かんじ》は竦《すく》んだやうに成《な》つて默《だま
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