せうさん》するのも隱《かく》さずに空洞《からり》として居《ゐ》る。卯平《うへい》が凝然《ぢつ》として居《ゐ》ると萵雀《あをじ》が忍《しの》び/\に乾《かわ》いた落葉《おちば》を踏《ふ》んで彼《かれ》の近《ちか》くまで來《き》てはすいと枝《えだ》へ飛《と》んだ。彼《かれ》は周圍《しうゐ》には一|切《さい》心《こゝろ》を惹《ひ》かされることもなく袂《たもと》の燐寸《マツチ》へ火《ひ》を點《つ》けては又《また》燐寸《マツチ》を袂《たもと》へ入《いれ》て、さうしてからげつそりと落《お》ちた兩頬《りやうほゝ》の肉《にく》が更《さら》にぴつちりと齒齦《はぐき》に吸《すひ》ついて畢《しま》ふまで徐《ゆる》りと煙草《たばこ》を吸《す》うて、煙管《きせる》をすつと拔《ぬ》いてから又《また》齒齦《はぐき》へ空氣《くうき》を吸《す》うて煙《けぶり》と一つに飮《の》んで畢《しま》つたかと思《おも》ふやうにごくりと唾《つば》を嚥《の》んで、それから煙《けぶり》を吐《は》き出《だ》すのである。彼《かれ》は周圍《しうゐ》が寂《さび》しいとも何《なん》とも思《おも》はなかつた。然《しか》し彼自身《かれじしん》は見《み
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