さつき》見《み》てえに泣《な》いてんのに惡口《わるくち》なんぞいふな罪《つみ》だよなあ」と若《わか》い女房等《にようばうら》はそれでもしんみりといつた。
 其《そ》の夜《よ》から暫《しばら》くの間《あひだ》勘次《かんじ》は以前《いぜん》とは異《かは》つておつぎを獨《ひと》り放《はな》して出《だ》すことが有《あ》る樣《やう》に成《な》つた。さうかと思《おも》つて居《ゐ》る内《うち》に村落中《むらぢう》が復《ま》た勘次《かんじ》のおつぎに對《たい》する態度《たいど》の全《まつた》く以前《いぜん》に還《かへ》つたことを認《みと》めずには居《ゐ》られなくなつた。村落《むら》の目《め》は勢《いきほ》ひ嫉妬《しつと》と猜忌《さいぎ》とそれから新《あらた》に起《おこ》つた事件《じけん》に對《たい》するやうな興味《きようみ》とを以《もつ》て勘次《かんじ》の上《うへ》に注《そゝ》がれねばならなかつた。

         十六

 勘次《かんじ》は殆《ほと》んど事毎《ことごと》に冷笑《れいせう》の眼《まなこ》を以《もつ》て見《み》られて居《ゐ》るのであつたが然《しか》しそれが厭《いや》な感情《かんじやう
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