か》にや何《なん》だね入《へ》えつてんなあ、人形坊《にんぎやうばう》だつて本當《ほんたう》かね」前《まへ》の方《はう》に居《ゐ》た若《わか》い衆《しゆ》が巫女《くちよせ》の荷物《にもつ》へ手《て》を掛《かけ》ていつた。
「なあに今《いま》ぢや幣束《へいそく》だとよ」と他《た》の者《もの》がいつた。
「此《こ》ら見《み》せらんねえんでさ、此《こ》れ見《み》られつと何程《なんぼ》寄《よ》せて見《み》ても當《あた》んなくなつちやつてね、自分《じぶん》で居《ゐ》ねえ間《ま》に見《み》らつても屹度《きつと》知《し》れんでさ」婆《ばあ》さんは風呂敷《ふろしき》を捲《まく》り掛《かけ》た若《わか》い衆《しゆ》の手《て》をそつと拂《はら》つていつた。さうすると
「見《み》せらんねえよ、其《そ》れが種《たね》だから」呶鳴《どな》つたものがあつた。
さういふ騷《さわ》ぎをして居《ゐ》る間《ま》に幾度《いくど》かもぢ/\と身體《からだ》を動《うご》かして居《ゐ》た勘次《かんじ》は思《おも》ひ切《き》つて婆《ばあ》さんの前《まへ》へ進《すゝ》んだ。
「わしげ一つ寄《よ》せて見《み》ておくんなせえ、死口《しに
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