ぐち》でがさ」
「そんぢや笹《さゝ》つ葉《ぱ》折《を》つちよつて來《き》ておくんなせえ」巫女《くちよせ》の婆《ばあ》さんはいつた。
「此方《こつち》で折《を》つちよつて遣《や》んべ」と勘次《かんじ》が立《た》ち掛《かけ》た時《とき》後《うしろ》の方《はう》で呶鳴《どな》つた。暫《しばら》くして小《ちひ》さな竹《たけ》の葉《は》が手《て》から手《て》へ傳《つた》へられて茶碗《ちやわん》の水《みづ》の中《なか》に置《お》かれた。一|同《どう》は再《ふたゝ》び靜《しづ》まつた。勘次《かんじ》は竹《たけ》の葉《は》を以《もつ》て茶碗《ちやわん》の水《みづ》を三|度《ど》掻《か》き廻《まは》してそつと手《て》を放《はな》した。ランプの光《ひかり》に竹《たけ》の葉《は》は水《みづ》から出《で》た部分《ぶぶん》は青《あを》く、水《みづ》に沒《ぼつ》した部分《ぶぶん》は水銀《すゐぎん》のやうに白《しろ》く光《ひか》つた。巫女《くちよせ》の婆《ばあ》さんは先刻《さつき》と同《おな》じく箱《はこ》へ肱《ひぢ》を突《つ》いて
「能《よ》く喚《よ》び出《だ》してくれたぞよう……」と極《きま》つたやうな句《く》
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