足《てあし》の者《も》な牛蒡《ごばう》でも檐《かつ》いで歩《ある》くのにや丁度《ちやうど》よかんべ」復讎《ふくしう》でも仕得《しえ》たやうな容子《ようす》で爺《ぢい》さんはいつた。
「資本《もとで》の二|兩《りやう》二|分《ぶ》位《ぐれえ》でこんで餓鬼奴等《がきめら》までにや四五|人《にん》も命《いのち》繋《つな》いで行《い》くのにや赤《あけ》え手拭《てねげ》でも被《かぶ》つてる樣《やう》な放心《うつかり》した料簡《れうけん》ぢや居《ゐ》らんねえかんな」彼《かれ》は復《ま》た爺《ぢい》さんの頭《あたま》へ手《て》を掛《か》けていつてついと行《い》つて畢《しま》つた。後《あと》では波《なみ》が巖《いは》に打《う》ちつける樣《やう》に暫《しば》らく騷《さわ》いだ。若《わか》い女《をんな》は皆《みな》十|分《ぶん》笑《わら》つて、又《また》痘痕《あばた》の爺《ぢい》さんを熟々《つく/″\》と見《み》ては思《おも》ひ出《だ》して袂《たもと》で口《くち》を掩《おほ》うた。到頭《たうとう》極《きま》り惡相《わるさう》にして爺《ぢい》さんも去《さ》つて畢《しま》つた。
「此《こ》の箱《はこ》ん中《な
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