れ抑《つか》めえた處《とこ》なんだよ」
「えゝからガラスでもおつ缺《か》かねえやうにしろえ、此方《こつち》のおつかさまに怒《おこ》られつから」
「そんでも店臺《みせでえ》は四つ足《あし》へ何《なに》か穿《は》いてら、土鍋《どなべ》に片口《かたくち》に皿《さら》だ、どれも/\能《よ》く打《ぶ》つ缺《か》けてらあ」
「何處《どこ》らか歩《ある》いて來《き》たと見《み》えて足《あし》埃《ほこり》だらけだと」二三|人《にん》の聲《こゑ》で戯談《ぜうだん》を返《かへ》した。家《いへ》の内外《うちそと》のむつとした空氣《くうき》が益《ます/\》ざわついた。店臺《みせだい》へは暑《あつ》い頃《ころ》には蟻《あり》の襲《おそ》ふのを厭《いと》うて四つの足《あし》へ皿《さら》や丼《どんぶり》の類《るゐ》を穿《は》かせて始終《しじう》水《みづ》を湛《たゝ》へて置《お》くことを怠《おこた》らないのであつた。
「どうれ、誰《だれ》も寄《よ》せねえけりや俺《お》れでも寄《よ》せてんべかえ」後《うしろ》の方《はう》から一人《ひとり》進《すゝ》んで來《き》たものがあつた。
「只《たゞ》ぢや駄目《だめ》だぞ」痘痕《あ
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