騷《さわ》ぐ間《あひだ》に在《あ》つてさうして居《ゐ》る二人《ふたり》の容子《ようす》は態《わざ》とらしく見《み》えるまで際立《きわだ》つて居《ゐ》た。巫女《くちよせ》の唱《とな》へたことだけでは惡戯《いたづら》な若《わか》い衆《しゆ》の意志《こゝろ》も知《し》らない二人《ふたり》には自分等《じぶんら》がいはれて居《ゐ》ることゝは心《こゝろ》づく筈《はず》がなかつたのである。
群集《ぐんしふ》の後《うしろ》の方《はう》からの俄《にはか》な騷《さわ》ぎが内側《うちがは》に及《およ》んだ。晩餐《ばんさん》を濟《す》まして瞽女《ごぜ》が手《て》を曳《ひ》き連《つ》れて來《き》た處《ところ》なのである。それを若《わか》い衆《しゆ》が揶揄半分《からかひはんぶん》に道《みち》を開《ひら》いてやらうとしては遣《や》るまいとして騷《さわ》いだのであつた。瞽女《ごぜ》は危險相《あぶなさう》にして漸《やうや》く座敷《ざしき》へ上《あが》つた時《とき》
「目《め》も見《め》えねえのにさうだに押廻《おしまは》すなえ」瞽女《ごぜ》の後《あと》に跟《つ》いて座敷《ざしき》の端《はし》まで割込《わりこ》んで來《き
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