て行《い》つた。斜《なゝめ》に茶碗《ちやわん》の水《みづ》に立《た》つた紙捻《こより》がだん/\に水《みづ》を吸《す》うて點頭《うなづ》いた樣《やう》にくたりと成《な》つた。
「どうせよ一つにや成《な》れぬ身《み》を、別《わか》れたいとは思《おも》へども……」と一|同《どう》の耳《みゝ》に響《ひゞ》いた時《とき》「出《で》た/\」と靜《しづ》まつて居《ゐ》た群集《ぐんしふ》の中《なか》から聲《こゑ》が發《はつ》せられた。巫女《くちよせ》の婆《ばあ》さんは突《つい》て居《ゐ》る肘《ひぢ》を少《すこ》し動《うご》かして乘地《のりぢ》に成《な》つた。
「俺《お》れが我《わ》が身《み》というたとて、自由自儘《じいうじまゝ》に成《な》るならば、今日《けふ》の巫女《あづさ》も要《い》るまいにい……」婆《ばあ》さんは同《おな》じやうな句《く》を反覆《くりかへ》した。
「出《で》た處《ところ》でまつと饒舌《しやべ》らせろえ」と一人《ひとり》が更《さら》に紙捻《こより》を持《も》つて水《みづ》を掻《か》き廻《まは》した。
「かんぜん捻《より》くた/\して云《い》ふこと聽《き》かねえや」いひながら彼《かれ
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