よ、有撃《まさか》おめえ、他人《ひと》のこと俺《おれ》だつて」分疏《いひわけ》した。
「そんぢや何《なん》に行《い》つたんだ」
「小便《せうべん》垂《た》つたく成《な》つたからよ」軈《やが》て抑《おさ》へ切《き》れぬ笑《わら》ひが顏《かほ》に浮《う》かんで
「そんだから過多《げえ》に飮《の》むなつちんだ、なんておつぎに怒《おこ》られ/\行《い》んけわ」といつた。
「そうれおめえ、罪《つみ》だよ」遠慮《ゑんりよ》もなく皆《みな》どつと笑《わら》つた。
夜《よ》は深《ふ》けて居《ゐ》た。きろ/\きろ/\と風船玉《ふうせんだま》を擦《こす》り合《あは》せる樣《やう》な蛙《かへる》の聲《こゑ》が錯雜《さくざつ》して聞《きこ》えて居《ゐ》た。
十五
霜《しも》が竊《ひそか》に地《ち》を掩《おほ》うた。
晩秋《ばんしう》の冴《さ》えた空氣《くうき》は地上《ちじやう》の凡《すべ》てを乾燥《かんさう》せしめる。思《おも》ひの儘《まゝ》に枝葉《えだは》を擴《ひろ》げた獨活《うど》の實《み》へ目白《めじろ》の聚《あつま》つて鳴《な》くのが愉快《ゆくわい》らしくもあれど、何《なん
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