》は二人《ふたり》の茶碗《ちやわん》を自分《じぶん》の手《て》で交換《かうくわん》させて、それを兩方《りやうはう》へ渡《わた》して酒《さけ》を注《つ》いだ。
「どうだえ、博勞《ばくらう》うまく打《ぶ》てたんべ、どつちも依怙贔負《えこひいき》なしつち處《とこ》だ」相手《あひて》は得意《とくい》に成《な》つて云《い》つた。
「こつちのおとつゝあ、幾《いく》つだつけな、少《ち》つと白《しろ》く成《な》つたな」突然《とつぜん》一人《ひとり》が呶鳴《どな》つた。
「さうよな」亭主《ていしゆ》は頭髮《あたま》に手《て》を當《あ》てゝいつた時《とき》
「おめえ、俺《お》ら家《ぢ》のおとつゝあもどうしてか酷《ひど》く白《しろ》く成《な》つたんだが、斯《こ》んで年齡《とし》はさういにとつちや居《ゐ》ねえんだぞ」其處《そこ》へ小《ちひ》さな子《こ》を抱《だ》いて坐《すわ》つた内《うち》の女房《にようばう》が微笑《びせう》しながらいつた。
「俺《お》れと同年齡《おねえどし》だよ」獨《ひと》りぼつちに成《な》つて居《ゐ》た勘次《かんじ》は横《よこ》から口《くち》を挾《はさ》んだ。
「どうだかよ」
「なあに、ど
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