うだかなもんぢやねえ」
 勘次《かんじ》は口《くち》を角《つの》のやうにしていつた。
「本當《ほんたう》にさうなんだよおめえ」女房《にようばう》は側《そば》からいつた。
「そんぢや勘次《かんじ》さんおめえ幾《いく》つでえ」相手《あひて》は乘地《のりぢ》になつて聞《き》いた。
「さうよ、俺《お》らこつちのおとつゝあと同年齡《おねえどし》だつけな」彼《かれ》は自身《じしん》の創意《さうい》ではなくて何處《どこ》かで聞《き》いた記憶《きおく》を其《そ》の儘《まゝ》反覆《はんぷく》してさうして戯談《じやうだん》を敢《あへ》てした。
「えゝ箆棒《べらぼう》な」と相手《あひて》はいつて畢《しま》つた。内《うち》の女房《にようばう》は兩方《りやうはう》の頭髮《あたま》を熟《つく/″\》と見《み》て
「そんだが勘次《かんじ》さんは本當《ほんたう》に若《わ》けえな。俺《お》ら家《ぢ》のおとつゝあ等《ら》たあ、たえした違《ちげ》えだな」といつた。
「勘次《かんじ》さん等《ら》まあだ十七だな」兼《かね》博勞《ばくらう》は直《すぐ》に後《あと》を跟《つ》いていつた。女房等《にようばうら》は復《ま》た竊《ひそか
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