《え》かく成《な》る樣《やう》ぢや其《その》肥料《こやし》は桑《くは》も吸《す》ふから、いや桑《くは》の根《ね》つ子《こ》の遠《とほ》くへ踏《ふ》ん出《だ》すんぢや魂消《たまげ》たもんだから、目《め》も有《あ》りもしねえのに肥料《こやし》の方《はう》へ眞直《まつすぐ》にずうつと來《く》つかんな」
「此《こ》れでどの位《くれえ》殖《ふ》えるものだと思《おも》つたら一ツ株《かぶ》で一|升《しよう》位《ぐれえ》づゝも起《おこ》せるよ」亭主《ていしゆ》がいへば
「うむ、さうかな、さうすつと割《わり》の善《え》えもんだな」各自《てんで》にさういつて居《ゐ》ると
「能《よ》く牛蒡《ごぼう》は保《も》たせたつけな」といふものがあつた。
「なあに、踏《ふ》ん固《がた》める處《ところ》へ活《い》けてせえ置《お》けば大丈夫《でえぢやうぶ》なものさ、俺《お》ら家《ぢ》や田植《たうゑ》迄《まで》は有《あ》るやうに庭《には》へ埋《う》めて置《お》くのよ」亭主《ていしゆ》は自分《じぶん》も椀《わん》の牛蒡《ごぼう》を挾《はさ》んでいつた。
「さうだが、俺《お》ら家《ぢ》なんぞぢや、それまでにや無《な》く成《な》つ
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