口《くち》を開《あ》いて頬張《ほゝば》つた。平椀《ひらわん》には牛蒡《ごばう》と馬鈴薯《じやがたらいも》とが堆《うづたか》く盛《も》られて油揚《あぶらあげ》が一|枚《まい》載《の》せてある。
「箆棒《べらぼう》に大《え》かく成《な》つたつけな、此《こ》の馬鈴薯《じやがいも》はなあ」一人《ひとり》がいつた。
「此《こ》んでも桑《くは》の間《あひだ》さ作《つく》つたんだが、思《おも》ひの外《ほか》だつけのさ」亭主《ていしゆ》は自慢《じまん》らしくそれでも態《わざ》と聲《こゑ》を落《おと》していつた。
「桑《くは》の間《あひだ》でかう出來《でき》つかな、そりやさうと何處《どこ》さ作《つく》つたんでえまあ」
「裏《うら》の垣根外《くねそと》さ、土《つち》はかたで赤《あか》つぽうろくだが、掃溜《はきだめ》みつしら掘《ほ》つ込《こ》んで置《お》いた處《ところ》だから、其《そ》れが出《で》たと見《め》えんのさ、思《おも》ひの外《ほか》土地《とち》は嫌《きら》あねえもんだよ、此《こ》んなもんでも作《つく》つちや桑《くは》にや惡《わる》かんべが」
「大丈夫《だいぢやうぶ》だとも、馬鈴薯《じやがいも》が大
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