とり》が首筋《くびすぢ》まで沈《しづ》んだ。それから風呂桶《ふろをけ》へ腰《こし》を掛《か》けてごし/\と洗《あら》ひながら
「此《こ》りや燻《けぶ》つてえ」と復《また》沈《しづ》んだ儘《まゝ》ごし/\と垢《あか》を落《おと》して居《ゐ》たが
「あゝ善《え》え處《とこ》だ、よう、おつぎ、少《ちつ》と此處《ここ》まで來《き》てくんねえか」といつた。彼《かれ》は百姓《ひやくしやう》の間《あひだ》には馬《うま》を曳《ひ》いて歩《ある》く村落《むら》の博勞《ばくらう》であつた。
「どうしたもんだんべ、兼《かね》さん等《ら》自分《じぶん》で這入《へえ》んのに燻《けむ》つたけりや、おん出《だ》してからへえつたら善《よ》かんべなあ、それに怎的《どう》したもんだ一同《みんな》居《ゐ》て、水汲《みずく》みに來《き》たものなんぞ使《つか》あねえたつてよかんべなあ」おつぎは輕《かる》く窘《たしな》める樣《やう》にいつて二つの手桶《てをけ》をそつと置《お》いて、燻《いぶ》つて居《ゐ》る薪《たきゞ》を出《だ》して遣《や》つた。
「おつぎに掻《か》ん出《だ》して貰《もら》あんでなくつちや厭《や》だつちから俺《お》
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