ぎをぐいと突《つ》いた。おつぎは轉《ころ》がり相《さう》にして漸《やうや》く土《つち》へ手《て》を突《つ》いた。
「何《なに》爲《す》んだな、おとつゝあ」おつぎは慌《あわ》てゝ顏《かほ》を捩《ね》ぢ向《む》けて少《すこ》し泣《な》き聲《ごゑ》で寧《むし》ろ鋭《するど》くいつた。
「何《なに》爲《す》んだとう、づう/\しい阿魔《あま》だ、櫛《くし》何故《どう》して取《と》らつたんだか云《ゆ》つて見《み》ろつちんだ、此《こ》んでも分《わか》んねえのか、云《ゆ》つて見《み》ろよ」勘次《かんじ》は暫《しばら》く間《あひだ》を措《お》いて、又《また》かつと忌々敷《いま/\しく》なつたやうに
「云《ゆ》つて見《み》ろつちのに、云《ゆ》つて見《み》ろよ」と反覆《くりかへ》しておつぎを責《せ》めた。
「どうしてつちつたつて、俺《お》らがにや分《わか》んねえよ」おつぎは恨《うら》めし相《さう》に然《しか》しながら周圍《しうゐ》に憚《はゞか》る樣《やう》にして小聲《こごゑ》でいつた。袂《たもと》は顏《かほ》を掩《おほ》うた儘《まゝ》である。
「分《わか》んねえとう、何《なん》にも知《し》らねえ者《もの》で
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