ようす》を見《み》てはくすくすと竊《ひそか》に冷笑《れいせう》を浴《あび》せ掛《か》けるのであつた。カンテラの光《ひかり》は樅《もみ》の木陰《こかげ》の何處《いづこ》からでも明瞭《はつきり》と勘次《かんじ》の容子《ようす》を目《め》に立《た》たせる樣《やう》にぼう/\と油煙《ゆえん》を立《た》てながら、周圍《しうゐ》の眼《まなこ》と首肯《うなづ》き合《あ》うて赤《あか》い舌《した》をべろべろと吐《は》きつゝゆらめいた
おつぎの姿《すがた》が五六|人《にん》立《た》つた中《なか》に見《み》えなく成《な》つた時《とき》勘次《かんじ》は商人《あきんど》の筵《むしろ》を立《た》つてすつと樅《もみ》の木《き》の側《そば》へ行《い》つた。おつぎは一二|歩《ほ》位置《ゐち》を變《か》へた丈《だけ》であつたので、彼《かれ》は直《すぐ》におつぎの白《しろ》い姿《すがた》と相《あひ》接《せつ》して立《た》つた。女同士《をんなどうし》は勘次《かんじ》の姿《すがた》を見《み》て少《すこ》し身《み》を避《さ》けた。五六|本《ぽん》屹立《きつりつ》した樅《もみ》の木《き》は引《ひ》つ扱《こ》いた樣《やう》な梢《
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