んど》は木陰《こかげ》の闇《やみ》から見《み》れば滑稽《こつけい》な程《ほど》絶《た》えず其《そ》の眼《め》を蹙《しか》めつゝ外《そと》の闇《やみ》を透《すか》して騷《さわ》がしい群集《ぐんしふ》を見《み》て居《ゐ》る。
勘次《かんじ》は與吉《よきち》の求《もと》める儘《まゝ》に西瓜《すゐくわ》の一|片《きれ》を與《あた》へて自分《じぶん》は商人《あきんど》の狹《せま》い筵《むしろ》の端《はし》へ腰《こし》を卸《おろ》した。おつぎは暫《しばら》く店《みせ》の側《そば》に立《た》つて居《ゐ》たが、明《あか》るい光《ひかり》を厭《いと》うて軈《やが》て樅《もみ》の木《き》の下《した》に與吉《よきち》と共《とも》に身《み》を避《さ》けた。勘次《かんじ》は俄《にはか》に眼《め》を聳《そびや》かすやうにして木陰《こかげ》の闇《やみ》を見《み》た。彼《かれ》は其處《そこ》におつぎの浴衣姿《ゆかたすがた》が凝然《じつ》として居《ゐ》るのを見《み》て筵《むしろ》から離《はな》れることは仕《し》なかつた。
「おつぎさん能《よ》く來《き》たつけな」列《れつ》を離《はな》れた踊子《をどりこ》が汗《あせ》の
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