にん》が群《む》れて飾《かざ》られた花笠《はながさ》深《ふか》く顏《かほ》が掩《おほ》はれて居《ゐ》るのにそれでも猶且《やつぱり》知《し》られることを恥《はぢ》らうて漸《やうや》く手《て》の及《およ》ぶ程度《ていど》にカンテラの光《ひかり》の範圍《はんゐ》から遠《とほ》ざからうとしつゝ西瓜《すゐくわ》の一|片《きれ》づつを求《もと》める。俄商人《にはかあきんど》はカンテラの光明《くわうみやう》と木陰《こかげ》の薄《うす》い闇《やみ》との間《あひだ》に立《た》つた其《そ》の姿《すがた》が明瞭《はつきり》と見極《みきは》め難《がた》いので、頻《しき》りに目《め》を蹙《しか》めつゝ求《もと》められる儘《まゝ》に筵《むしろ》の端《はし》に立《た》つて西瓜《すゐくわ》を出《だ》して遣《や》る。踊子《をどりこ》は其《そ》れを手《て》にして慌《あわたゞ》しく木陰《こかげ》に隱《かく》れる。其處《そこ》には必《かなら》ず各《おの/\》の口《くち》から發《はつ》する笑聲《わらひごゑ》が聞《き》かれるのである。カンテラの光《ひかり》の爲《ため》に却《かへつ》て眼界《がんかい》を狹《せば》められた商人《あき
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