秋《あき》であつた。おつぎは其《そ》の浴衣地《ゆかたぢ》を着《き》てお品《しな》の墓《はか》へ行《い》つたのである。髮《かみ》は晝《ひる》の内《うち》に近所《きんじよ》の娘同士《むすめどうし》が汗染《あせじ》みた襦袢《じゆばん》一《ひと》つの姿《すがた》で互《たがひ》に結《ゆ》ひ合《あ》うたのである。おつぎは浴衣地《ゆかたぢ》へ赤《あか》い帶《おび》を締《し》めた。勘次《かんじ》は紺《こん》の筒袖《つゝそで》の單衣《ひとへ》で日《ひ》に燒《やけ》た足《あし》が短《みじか》い裾《すそ》から出《で》て居《ゐ》た。おつぎの裝《よそほ》ひは側《そば》では疎末《そまつ》であつても、處々《ところ/″\》ちらり/\と白《しろ》い穗先《ほさき》が覗《のぞ》いて大抵《たいてい》はまだ冴《さ》え/″\として只《たゞ》一|枚《まい》の青疊《あをだゝみ》を敷《し》いた樣《やう》な田圃《たんぼ》の間《あひだ》をくつきりと際立《きはだ》つて目《め》に立《た》つのであつた。三|人《にん》が田甫《たんぼ》を往復《わうふく》してから暫《しばら》く經《た》つて村落《むら》の内《うち》からは何處《どこ》の家《いへ》からも提
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