みそ萩《はぎ》の短《みじか》い小《ちひ》さな花束《はなたば》とを供《そな》へた。みそ萩《はぎ》の側《そば》には茶碗《ちやわん》へ一|杯《ぱい》に水《みづ》が沒《く》まれた。夕方《ゆふがた》近《ちか》く成《な》つてから三|人《にん》は雨戸《あまど》を締《しめ》て、火《ひ》のない提灯《ちやうちん》を持《も》つて田圃《たんぼ》を越《こ》えて墓地《ぼち》へ行《い》つた。お品《しな》の塔婆《たふば》の前《まへ》にそれから其處《そこ》ら一|杯《ぱい》の卵塔《らんたふ》の前《まへ》に線香《せんかう》を少《すこ》しづゝ手向《たむ》けて、火《ひ》を點《つ》けてほつかりと赤《あか》く成《な》つた提灯《ちやうちん》を提《さ》げて戻《もど》つた。冥途《めいど》から來《き》た佛《ほとけ》が其《そ》の火《ひ》に宿《やど》つたしるしだといつて必《かなら》ず提灯《ちやうちん》が墓地《ぼち》から點《つ》けられるのである。おつぎは勘次《かんじ》の懷《ふところ》が幾《いく》らか暖《あたゝ》かに成《な》つたので、廉物《やすもの》ではあるが中形《ちうがた》の浴衣地《ゆかたぢ》も拵《こしら》へて貰《もら》つた。おつぎはもう十九の
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