其《そ》の幾人《いくにん》は自分《じぶん》の父母《ふぼ》が喚《よ》ばれるので苦《にが》い笑《わらひ》を噛《か》んで控《ひか》へて居《ゐ》る。さうすると他《た》の者《もの》はそれを興《きよう》あることにがや/\と囃《はや》し立《た》てた。
 噺《はなし》が少《すこ》しだれた時《とき》
「勘次《かんじ》さん等《ら》見《み》てえなゝ、ありや勘定《かんぢやう》にやへえんねえもんだんべか」と呶鳴《どな》つたものがあつた。此《こ》の唐突《たうとつ》な發言《はつげん》で暫《しばら》く靜止《せいし》して居《ゐ》た彼等《かれら》は俄《にはか》に威勢《ゐせい》が出《で》て拍手《はくしゆ》した。
「勘次《かんじ》さんに聞《き》いて見《み》ろ」といふ聲《こゑ》が隅《すみ》の方《はう》から出《で》た。
「其※[#「麾」の「毛」にかえて「公」の右上の欠けたもの、第4水準2−94−57]《そんな》こと云《ゆ》つたつ位《くれえ》、打《ぶ》ん擲《なぐ》らつら篦棒臭《べらぼうくせ》え」打《う》ち消《け》す聲《こゑ》が聞《きこ》えた。
「そんぢや、おつぎに聞《き》いて見《み》ろ」
「足《あし》でも打折《ぶつちよ》られんなえ
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