れら》に到底《たうてい》十|分《ぶん》の滿足《まんぞく》を與《あた》へ得《う》るものではない。然《しか》し彼等《かれら》は其※[#「麾」の「毛」にかえて「公」の右上の欠けたもの、第4水準2−94−57]《そんな》ことに頓着《とんぢやく》を持《も》たぬ。
酒《さけ》が煤《すゝ》けた土瓶《どびん》で沸《わ》かされた。彼等《かれら》は各自《かくじ》に茶碗《ちやわん》へ注《つ》いでぐいと飮《の》んだ。其處《そこ》には燗《かん》の加減《かげん》も何《なに》も無《な》かつた。各自《かくじ》の喉《のど》がそれを要求《えうきう》するのではなくて一|種《しゆ》の因襲《いんしふ》が彼等《かれら》にそれを強《し》ひるのである。彼等《かれら》はじり/\と喉《のど》が焦《こ》げる樣《やう》に感《かん》じても苦《にが》い顏《かほ》を蹙《しか》めつゝ飮《の》んで見《み》る者《もの》さへある。比較的《ひかくてき》少量《せうりやう》な酒《さけ》が注《つ》ぐ度《たび》に手《て》にする度《たび》に筵《むしろ》の上《うへ》に滾《こぼ》れても彼等《かれら》は惜《をし》まない。彼等《かれら》はそれから茶碗《ちやわん》も箸《はし
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