いのであつた。それで普通《ふつう》どの家《うち》でも彼等《かれら》が滿足《まんぞく》を買《か》ひ得《う》る分量《ぶんりやう》を前以《まへもつ》て用意《ようい》して居《ゐ》るのである。
彼等《かれら》はさういふ夜《よ》に褞袍《どてら》を被《かぶ》つて他人《たにん》の裏戸口《うらどぐち》に立《た》たねば成《な》らぬ必要《ひつえう》な條件《でうけん》を一《ひと》つも有《も》つて居《ゐ》ない。只《たゞ》彼等《かれら》の凡《すべ》ては藁《わら》を打《う》つて繩《なは》を綯《な》ふべき夜《よる》の務《つと》めを捨《すて》て公然《こうぜん》一|所《しよ》に集合《しふがふ》する機會《きくわい》を見出《みいだ》すことを求《もと》めて居《ゐ》る。集合《しふがふ》することが直《たゞち》に彼等《かれら》に娯樂《ごらく》を與《あた》へるからである。兩性《りやうせい》が然《しか》も他人《たにん》の手《て》を藉《か》りて一《ひと》つに成《な》る婚姻《こんいん》の事實《じじつ》を聯想《れんさう》することから彼等《かれら》の心《こゝろ》が微妙《びめう》に刺戟《しげき》される。彼等《かれら》の凡《すべ》ては悉《ことごと
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