たら》いた。おつぎは赤絲大名《あかいとだいみやう》の半纏《はんてん》で萌黄《もえぎ》の襷《たすき》を掛《か》けて居《ゐ》た。針子等《はりこら》は毎年《まいねん》春《はる》が漸《やうや》く暖《あたゝ》かく成《な》つて百姓《ひやくしやう》の仕事《しごと》が忙《いそが》しくなると又《また》の冬《ふゆ》まで暇《ひま》をとるとて一|日《にち》皆《みんな》で鍬《くは》を持《も》つて畑《はたけ》の仕事《しごと》の手傳《てつだひ》に行《ゆ》く。廣《ひろ》くもない畑《はたけ》へ残《のこ》らずが一|度《ど》に鍬《くは》を入《い》れるので各《おの/\》が互《たがひ》に邪魔《じやま》に成《な》りつゝ人數《にんず》の半《なかば》は始終《しじう》鍬《くは》の柄《え》を杖《つゑ》に突《つ》いては立《た》つて遠《とほ》くへ目《め》を配《くば》りつゝ笑《わら》ひさゞめく。彼等《かれら》の白《しろ》い手拭《てぬぐひ》が聚《あつま》つて遙《はるか》に人《ひと》の目《め》を惹《ひ》く外《ほか》師匠《ししやう》の家《うち》に格別《かくべつ》の利益《りえき》もなく彼等《かれら》自分等《じぶんら》のみが一|日《にち》を樂《たのし》
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