ほ》が何時《いつ》でも僻《ひが》んでさうして怒《おこ》り易《やす》いのを彼等《かれら》は嘲笑《てうせう》の眼《まなこ》を以《もつ》て遠《とほ》くから覗《のぞ》くのである。彼等《かれら》は夜《よる》垣根《かきね》の側《そば》に立《た》つて指《ゆび》を口《くち》に啣《くは》へてぴゆう/\と劇《はげ》しく鳴《な》らして見《み》たり、戸口《とぐち》に近《ちか》く竊《ひそか》に下駄《げた》の齒《は》の趾《あと》を附《つ》けて置《お》いたり、勘次《かんじ》が眠《ねむり》に落《お》ちようとする頃《ころ》假聲《こはいろ》を使《つか》つておつぎを喚《よ》んだりした。勘次《かんじ》は其《そ》の度《たび》に心《こゝろ》が苛立《いらだ》つたけれど、霧《きり》でも捉《つか》む樣《やう》な、誰《たれ》の所爲《しよゐ》とも判明《はんめい》しない惡戯《いたづら》をどうすることも出來《でき》なかつた。然《しか》し表面《へうめん》に現《あらは》れた影響《えいきやう》の無《な》い惡戯《いたづら》は永《なが》く持續《ぢぞく》しなかつた。
 春《はる》は冬《ふゆ》に遠《とほ》くして又《また》冬《ふゆ》と相《あひ》隣《となり》し
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