》は慌《あわ》てゝ皆《みな》家路《いへぢ》に就《つ》く。どうかして餘《あま》りに後《おく》れると空《から》な草刈籠《くさかりかご》を倒《さかしま》に脊負《せお》つて、歩《ある》けばざわ/\と鳴《な》る樣《やう》に、大《おほ》きな籠《かご》の目《め》へ楢《なら》や雜木《ざふき》の枝《えだ》を※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]《さ》して黄昏《たそがれ》の庭《には》に身《み》を運《はこ》んで刈積《かりつ》んだ青草《あをくさ》に近《ちか》く籠《かご》を卸《おろ》す。父《ちゝ》なるものは蚊柱《かばしら》の立《たつ》てる厩《うまや》の側《そば》でぶる/\と鬣《たてがみ》を撼《ゆる》がしながら、ぱさり/\と尾《を》で臀《しり》の邊《あたり》を叩《たゝ》いて居《ゐ》る馬《うま》に秣《まぐさ》を與《あた》へて居《ゐ》る。母《はゝ》なるものは青《あを》い烟《けぶり》に滿《みち》た竈《かまど》の前《まへ》に立《た》つては裾《うづくま》りつゝ、燈火《ともしび》を點《つ》ける餘裕《よゆう》もなく我《わ》が子《こ》をぶつ/\と待《ま》つて居《ゐ》る。恁《か》うして忙《いそが》
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