て小徑《こみち》から一|歩《ぽ》木《き》の間《あひだ》に身《み》を避《さ》ける。繁茂《はんも》した青草《あをぐさ》が側《そば》行《ゆ》く人《ひと》にも知《し》られぬ樣《やう》に屈《かゞ》んだ彼等《かれら》を幾《いく》らでも掩《おほ》ひ隱《かく》す。彼等《かれら》は極《きま》つた何《なん》の噺《はなし》も持《も》つて居《ゐ》ないのに快《こゝろ》よく冷《つめ》たい土《つち》に坐《すわ》つて、遂《つひ》には手《て》にした鎌《かま》の刄先《はさき》で少《すこ》しづゝ土《つち》をほじくりつゝ女《をんな》は白《しろ》い手拭《てぬぐひ》の端《はし》を微動《びどう》させては俯伏《つゝぷ》しなから微笑《びせう》しながら際限《さいげん》もなく其處《そこ》に凝然《ぢつ》として居《ゐ》ようとする。熬《い》りつける樣《やう》な油蝉《あぶらぜみ》の聲《こゑ》が彼等《かれら》の心《こゝろ》を撼《ゆる》がしては鼻《はな》のつまつたやうなみん/\蝉《ぜみ》の聲《こゑ》が其《そ》の心《こゝろ》を溶《とろ》かさうとする。藪蚊《やぶか》が彼等《かれら》の日《ひ》に燒《や》けた赤《あか》い足《あし》へ針《はり》を刺《さ》して、
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