草刈《くさかり》に心《こゝろ》を注《そゝ》ぐ樣《やう》に成《な》れば、若《わか》い同志《どうし》が相《あひ》誘《さそ》うては遠《とほ》く林《はやし》の小徑《こみち》を分《わけ》て行《ゆ》く。さうして自分《じぶん》の天地《てんち》に其《その》羽《はね》を一|杯《ぱい》に擴《ひろ》げる。何處《どこ》を見《み》ても只《たゞ》深《ふか》い緑《みどり》に鎖《とざ》された林《はやし》の中《なか》に彼等《かれら》は唄《うた》ふ聲《こゑ》に依《よ》つて互《たがひ》の所在《ありか》を知《し》つたり知《し》らせたりする。彼等《かれら》のしをらしい者《もの》はそれでも午前《ごぜん》の幾時間《いくじかん》を懸命《けんめい》に働《はたら》いて父《ちゝ》なるものゝ小言《こごと》を聞《き》かぬまでに厩《うまや》の傍《そば》に草《くさ》を積《つ》んでは、午後《ごご》の幾時間《いくじかん》を勝手《かつて》に費《つひや》さうとする。一|度《ど》でもしめやかに語《かた》り合《あ》うた兩性《りやうせい》が邂逅《であ》へば彼等《かれら》は一|切《さい》を忘《わす》れて、それでも有繋《さすが》に人目《ひとめ》をのみは厭《いと》う
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