》に工夫《くふう》が凝《こら》されるのである。
 既《すで》に漁師《れふし》の手《て》に生命《せいめい》を握《にぎ》られて居《ゐ》る蛸《たこ》は力《ちから》を極《きは》めて壺《つぼ》の内側《うちがは》に緊着《きんちやく》すれば什※[#「麾」の「毛」にかえて「公」の右上の欠けたもの、第4水準2−94−57]《どんな》強《つよ》い手《て》の力《ちから》が袋《ふくろ》のやうな其《そ》の頭《あたま》を持《も》つて曳《ひ》かうとも、蛇《へび》が身體《からだ》の一|部《ぶ》を穴《あな》に※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]入《さうにう》したやうに拗切《ちぎれ》るまでも離《はな》れない。刄物《はもの》を以《もつ》て突《つ》つ刺《つあ》しても同《どう》一である。蛸壺《たこつぼ》の底《そこ》には必《かなら》ず小《ちひ》さな穴《あな》が穿《うが》たれてある。臀《しり》からふつと息《いき》を吹《ふ》つ掛《か》けると蛸《たこ》は驚《おどろ》いてすると壺《つぼ》から逃《に》げる。それでも猶旦《やつぱり》騙《だま》されぬ時《とき》は小《ちひ》さな穴《あな》から熱湯《ねつたう》を
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