たつて幾《いく》らも生《い》きやしない老人《としより》のことをな」内儀《かみ》さんは熟《つくづく》と復《また》いつた。勘次《かんじ》は餘計《よけい》に萎《しを》れた。
「勘次《かんじ》も錢《ぜに》は自分《じぶん》の手《て》から湧《わか》すやうにして辛抱《しんばう》してりや辛《つら》いことばかり無《な》いから、何《なん》でも人間《にんげん》は子供次第《こどもしだい》だよ、後《あと》で厄介《やくかい》に成《な》らなくちや成《な》らないんだから子供《こども》の面倒《めんだう》は見《み》ないな間違《まちがひ》だよ」内儀《かみ》さんは勵《はげま》すやうにさうしてしんみりといつた。暫《しばら》く噺《はなし》が途切《とぎ》れた時《とき》勘次《かんじ》は突然《とつぜん》
「お内儀《かみ》さん變《へん》なこと聞《き》くやうでがすが帶《おび》にする布片《きれ》はどの位《くれえ》有《あ》つたらえゝもんでがせうね」と聞《き》いた。
「おつぎにでも締《し》めさせるのかい」
「へえ、今《いま》のが古《ふる》くつて厭《や》だなんて強請《ねだ》れんで、何時《いつ》でもわし怒《おこる》んでがすが、お内儀《かみ》さん處《
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