|杯《ぱい》に繁茂《はんも》して夜目《よめ》にはそれがごつしやりと自分《じぶん》を壓《あつ》して見《み》える。篠《しの》の間《あひだ》から水《みづ》がしら/\と見《み》えて、篠《しの》の根《ね》を洗《あら》つて行《ゆ》く水《みづ》の響《ひゞき》がちろ/\と耳《みゝ》に近《ちか》く聞《きこ》える。おつぎは汀《みぎは》へおりようと思《おも》つて篠《しの》を分《わ》けて見《み》ると其處《そこ》は崖《がけ》に成《な》つて居《ゐ》て爪先《つまさき》から落《お》ちた小《ちひ》さな土《つち》の塊《かたまり》がぽち/\と水《みづ》に鳴《な》つた。おつぎは更《さら》に篠《しの》を分《わ》けておりようとすると、其處《そこ》も崖《がけ》で目《め》の前《まへ》にひよつこりと高瀬船《たかせぶね》の帆柱《ほばしら》が闇《やみ》を衝《つ》いて立《たつ》て居《ゐ》る。水《みづ》に近《ちか》くこそ/\と人《ひと》の噺聲《はなしごゑ》が聞《きこ》える。黄昏《たそがれ》に漸《やうや》く其處《そこ》へ繋《かゝ》つた高瀬船《たかせぶね》が、其處《そこ》らで食料《しよくれう》を求《もと》め歩《ある》いて遲《おそ》く晩餐《ばんさん
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