もいつた。内儀《かみ》さんはそれから又《また》暫《しばら》く雜談《ざふだん》をして皆《みんな》で笑《わら》つて歸《かへ》つた。腹《はら》に在《あ》るだけのことをいはして畢《しま》へば彼等《かれら》はそれだけ心《こゝろ》が晴々《せいせい》として勢《いきほひ》が段々《だん/\》鈍《にぶ》つて來《く》るので、其《その》間《あひだ》は機嫌《きげん》もとつて見《み》て、さうして極《きま》り切《き》つた理窟《りくつ》も反覆《はんぷく》して聞《き》かせて居《ゐ》るうちにはころりと落《お》ちて畢《しま》ふといふ其《そ》の呼吸《こきふ》を内儀《かみ》さんは能《よ》く知《し》つて居《ゐ》るのである。
 其《そ》の夜《よ》おつぎは内儀《かみ》さんに喚《よ》ばれて隣《となり》へ泊《とま》つた。内儀《かみ》さんはおつぎと與吉《よきち》を只《たゞ》二人《ふたり》其《そ》の家《いへ》に置《お》くには忍《しの》びなかつたのである。夜《よ》になつてから勘次《かんじ》は土藏《どざう》から出《だ》されて傭人《やとひにん》の側《そば》に一|夜《や》を明《あか》した。彼《かれ》は未明《みめい》に復《また》土藏《どざう》へ隱《か
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