き》を透《とほ》して、日光《につくわう》が妙《めう》に肌膚《はだ》へ揉《も》み込《こ》むやうに暖《あたゝ》かで且《か》つ暑《あつ》かつた。春《はる》のやうな日《ひ》に騙《だま》されて雲雀《ひばり》は、そつけない三|稜形《りようけい》の種《たね》が膨《ふく》れつゝまだ一|杯《ぱい》に白《しろ》い蕎麥畑《そばばたけ》やそれから陸稻畑《をかぼばたけ》の上《うへ》に囀《さへづ》つた。それでも幾《いく》らか羽《はね》の運動《うんどう》が鈍《にぶ》く成《な》つて居《ゐ》るのか春《はる》のやうではなく低《ひく》く徘徊《さまよ》うて皺嗄《しやが》れた喉《のど》を鳴《な》らして居《ゐ》る。周圍《しうゐ》の臺地《だいち》からは土瓶《どびん》の蓋《ふた》をとつて釣瓶《つるべ》をごつと傾《かたむ》けたやうに雨水《あまみづ》が一|杯《ぱい》に田《た》に聚《あつま》つて稻《いね》の穗首《ほくび》が少《すこ》し浸《ひた》つた。田圃《たんぼ》も堀《ほり》も一《ひと》つに成《な》つた水《みづ》は土瓶《どびん》の口《くち》から吐《は》き出《だ》すやうに徐《おもむろ》に低《ひく》い田《た》へと落《おち》る。村落《むら》の子
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