そさい》は凡《すべ》て其《そ》の成熟《せいじゆく》が後《おく》れた。それで其《そ》の蔬菜《そさい》が庖丁《はうちやう》にかゝる間《あひだ》は口《くち》にこそつぱい干菜《ほしな》や切干《きりぼし》やそれも缺乏《けつばう》を告《つ》げれば、此《こ》れでも彼等《かれら》の果敢《はか》ない貯蓄心《ちよちくしん》を最《もつと》も發揮《はつき》した菜《な》や大根《だいこん》の鹽辛《しほから》い漬物《つけもの》の桶《をけ》にのみ其《そ》の副食物《ふくしよくぶつ》を求《もと》めるのである。彼等《かれら》は勞働《らうどう》から來《く》る空腹《くうふく》を意識《いしき》する時《とき》は一寸《いつすん》も動《うご》くことの出來《でき》ない程《ほど》俄《にはか》に疲勞《ひらう》を感《かん》ずることさへある。什※[#「麾」の「毛」にかえて「公」の右上の欠けたもの、第4水準2−94−57]《どんな》麁末《そまつ》な物《もの》でも彼等《かれら》の口《くち》には問題《もんだい》ではない。彼等《かれら》は味《あじは》ふのではなくて要《えう》するに咽喉《のど》の孔《あな》を埋《うづ》めるのである。冷水《れいすゐ》を注《そ
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